トップページ ≫ 社会 ≫ 新たな食糧供給源となり得るか 昆虫食の未来
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
バブル期の日本、金に糸目をつけず至る所で飽食が繰り返され列島全体が狂喜乱舞していたのは今を去る事30年前の話。時代は大きく変遷して今や、昆虫食が真剣に語られ始めた令和の新時代を迎えている。
生命活動に欠かせないタンパク質、主に人は肉を食べる事で摂取しているが生産効率はいかんせん良くない。ここに飼料要求率という指標がある。要は1㎏の肉を得るためにどの位の飼料が必要になるのかという物差しだが、それに当てはめると牛肉で20~25キロ、他の肉では8キロとなる。対して昆虫であるカイコ幼虫は4キロ、コオロギは2キロで済むそうだ。ちなみに鶏肉のブロイラーでは1.6キロとより少ない数値にはあるが、別の指標、単位面積当たりの生産効率で比較するとほぼ倍の数値、つまりより省スペースでの生産が可能なカイコ幼虫に軍配があがる。加えて体全体での食べられる部位の比率、カイコ幼虫はほぼ100%なのに対してブロイラーは40%強。これらの複数の数値比較からも昆虫食が相当有望なエネルギー供給源となり得る可能性を有している事が明らかだ。
30年後には地球人口は90億人を突破する人口爆発が確実視される中、収率が高く、かつ安価で経済性の高い昆虫食ががぜんスーパーフードとしての存在感を増しているのもむべなるかなといえよう。
地球規模で考えた時、気候変動や人口爆発などの要因から先進国においてこれまでのライフスタイルを継続していく事、また途上国が今までの先進国が享受していた大量消費・大量廃棄のスタイルを踏襲することはもはや不可能であることは、理屈抜きで我々ひとりひとりも肌でひしひしと感じて日々を過ごしている。課題は多いものの、様々ある対応策のひとつとして肩肘を張らず、生活の一部に取り入れてみる価値は十分にありそうだ。
食は各国それぞれの生活・文化との分かち難く、深く結びついており一朝一夕に変わるものではない。入口は興味本位でも何でも構わない、まずひとくちから、それぞれのMYチャレンジでいいのではないか。
我が国もいなごの甘露煮など長く一般に親しまれてきた食習慣を持ち合わせてきた国だ。様々な心理的・生理的抵抗を乗り越えて、楽しみながらまず出来ることからの第一歩を踏み出してみよう。
小松 隆
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