文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
始め言葉はなかった
要らなかったのだ
イルカは超音波で自由に遊ぶ
類を超え人間に戯れてくる
複雑な社会構成を持っている蟻も蜂も言葉はない
繁殖期になると光りの点滅で会話する蛍
鮮やかな羽色となる野鳥
繁殖期を過ぎると気配の無くなる雄たち
俳句は十七文字 短歌三十一文字
ゆっくり読み上げても十秒とはかからない
乾杯の挨拶が長い人いる
心より、誠に、衷心より、ご祈念して、みなウソです
中でも「喜びに堪えない次第です」はひどい
堪えないというのは泣き、叫び、踊りだすことです
忘れられない一つの情景がある
一組の夫婦が激しく言い争う中で
未だ言葉を駆使できない幼女が
二人の間で手を振り涙を浮かべ身体を震わせていた
やめなさいと仲裁していたのだ
どちらともなく争いを中断した
巨大なバベルの塔は言葉が通じなくなったとき瓦解した
日本で初めての十七条の憲法は聖徳太子が制定したという
制定前夜、太子は過ぎた年月と群臣達に思いをはせた
それぞれがそれぞれの信条を持ち収拾は難しい
沈思黙考の末、第一条を「和を以て貴しとなす」とした
そして驚くべき役人のランク基準を定めた
徳仁礼信義智
現代の官僚組織とは順位が真逆である
千四百年前のことである
大畑 ヨシオ
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