うわさの噂
まちで耳にした噂話、内緒話をこっそりお届け
さいたま市の居酒屋「W」は一週間を通して客が絶えることがないほど評判の店だった。創作料理が素晴らしく、よくまぁ、これだけのうまい料理を考えだすものだなぁと客は異口同音にいっていた。その料理はすべてその店の店長が考えだしては客に提供していた。そのうえ、店長の客さばきがうまいから、店長に会いたくて来る客も多かった。オーナーのSさんは店長をすっかり信用して、最初は店に出ていたが店長に任せっきりで次の2号店をつくるばかりだった。ところが突然店長が辞めた。というより、すでに独立するための店を探してしまって、その準備を進めてしまっていたのだ。
オーナーのSさんは悲嘆にくれて、少しノイローゼ気味で、次なる人を探している。「あれだけ信じていたのに・・・」。しかし、人生、会者定離は仏教の教えの通りだ。危機に備えることはリーダーの必須の条件だ。