トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第1章 子育て方針のタブ一(2)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~ 成績が上がるたびに、ごほうびを与えている~
「今度の通知表で『5』が四つあったら、あなたが欲しがっていたゲームを買ってあげるわよ」
もしかしたら、こんな会話が多くの家庭で行われているのではないでしょうか。わが家でも、子どもたちが小学生の頃はそうでした。勉強をしたがらない子どもを“ニンジン”でその気にさせるー「結果がきちんと出れば、それでもいいじゃないの」とお母さんが楽観的に考えてしまっても不思議ではありません。
でも,本当にそれでいいのでしょうか?
勉強したら、ニンジン、つまりごほうびをあげるという習慣がついてしまうと、やがて子どもは、「ごほうびがなければ勉強しない」と考えるようになってしまいます。こんな姿を、お母さんは望んでいるでしょうか。
小学生の頃なら、おもちゃやゲーム、マンガ本といった比較的安価なごほうびですんだかもしれませんが、中学生になると、そうも言っていられません。楽器、コンサートのチケット、携帯電話、パソコン・・・と、どんどん高額なものにエスカレートしていく可能性があります。
そうなってからやっと、
「勉強というのは、何かを買ってもらえるからするものじゃないのよ!」
と説明しても、子どもには通じません。また、「勉強したらごほうびをあげる」を繰り返すことは、勉強は嫌なことなんだ、つらくて面倒なことなんだというメッセージを繰り返し子どもに伝えていることになります。
私が指導している中学生のなかには、「テストがあるから仕方なく勉強する」「入試に必要だからイヤイヤ勉強している」という子が少なからずいます。だから、テストが終わったら、中身はきれいに忘れてしまう。これではいくら時間を割いても、勉強を好きになることはないでしょう。
ごほうびで釣る“ニンジン作戦”、そろそろ見直しませんか。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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