トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと第1章 子育て方針のタブ一(5)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~ 友だち親子である~
母と子どもがまるで友だちのように対等な「友だち親子」。子どもが一人前になった後なら話は別ですが、子どもが中学校に入る前の年代であれば、子どもとべったり仲良くするのは避けたほうがいいでしょう。
最近のお母さんがたは仕事や家事などで忙しく、時間に追われてどうしても子どもとのコミュ二ケーションが不足しがちです。その結果、「忙しいから後で」と子どもを拒否したり、子どもからのSOSを見逃してしまったり、あるいはイライラして子どもにやつあたりしたり、ということもあるかもしれません。
こうした現状に罪悪感をもってしまうからでしょうか。「なんでもOKよ、あなたは悪くないよ、好きなようにしてあげる。(だからいい子でいてね)」と、子どもの要求を何もかも叶えてしまうお母さんが増えているように感じます。
しかしこれは「なんでもおごってあげるよ、だから友だちでいてね」といううわべだけの友人関係と変わらず、健全な状態とは言いにくいものです。
本当の理解者は、時には「耳に痛い忠告」もするものです。子どもの成長のためには、親が「いちばん身近な理解者」として、あえて悪役を引き受けなければならない場面も出てくるでしょう。
ところが「友だち親子」の関係では、親が「理解者として」忠告することがありません。「そこまでやらなくとも・・・」とか「悪役になるのは大変・・・」といった気持ちが生じて、結果的に親の責任を果たせなくなるのです。
耳に痛い忠告を聞き入れさせるには、親子間に信頼関係が成り立っていなければなりません。そのために、一日のなかで、決して否定せずに子どもの話しを聞く時間を設けてください。これは無条件になんでも要望を聞き入れ、ワガママ放題を許すこととはまったく意味合いが違います。
親は、あれこれと判断するのではなく、黙って子どもの話しを聞いてやるものです。子どもに迎合するのではなく、心のなかでは一定の距離感を保ちながら寄り添います。そして、必要なときには毅然とした対応をしつつ、最後の一線では「必ず助けてやるから」という安心感を伝えること。これが親の仕事なのです。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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