文芸広場
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父が健康診断で肺に影があると言われ、肺がんを告知された。昨年9月のことだ。
以前から心臓疾患、糖尿病などを患っていたため、手術は不可能であるとの話に家族も父本人も途方にくれてしまった。
一般的に肺がんは進行が早く、放射線や薬の投与では完治はない。
医師から最新治療の重粒子線治療を提案された。
重粒子線治療は高額であること、全国に4か所(群馬、千葉、兵庫、九州)しかないこと、がんの転移(一般的にはステージ1か2)がないことなどの条件があり、治療を受けられる人は少ない。
体への負担が少ないため、高齢や持病をもっていても受けることができる。
幸いのことに父はすべての条件満たしており、10月には重粒子治療を受けることなった。
治療は30分の重粒子を4日間、がんにあてた。
普段と変わらない生活を送ることができ、痛みもまったくなく、後遺症もない。
治療後一か月、レントゲン写真をみると肺から影が消えていた。
こんなことがあるのかと目を疑った。しかし、何度写真をみても影は消えていた。
高額治療であるため、全額負担はかなり厳しい。
そこで今入っている保険に月々200円位をプラスするだけで、高額治療が受けられることを知った。
まだまだあまり世の中に知られていない重粒子線治療。
がんは助からない病気から助かる病気に変わりつつあること実感した。
正月を迎えた父の笑顔がとても嬉しく、清々しく感じた。