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梅は寒苦に耐えて清香を放つという。桜はどうか。春嵐に打たれてその妖艶なる美影に憂愁を漂わせつつ落花の舞を演じて土となる。そしてその生まれ変わりのように若葉の季節が微笑ながらやってくる。
若葉といえば、坂戸市だ。つい先日市長選があった。現職の伊利さんがダブルスコアーという大差で圧勝した。
伊利さんは、市議三期、県議四期、市長三期目と、地方政治家の舞台をしっかりと踏んできた地方の雄だ。しかし、この伊利さんも、県議から市長選に初めて臨んで敗れた時、寒苦と辛酸をなめた。駅頭に4年間立ち続けた。最初はだれも振り向きもしなかった。ただただ黙って頭を下げ続けた。雨の日も風の日も。まさしく修行僧のようだった。そのうち、一人が、十人が振り向き声を掛けてきてくれた。“本当にありがたい!”伊利氏は悟りをひらいたように一皮も二皮もむけた。
人の成功は窮苦の涯に来光をみる。得意の絶頂のときには、足音もなく、敗北がやってくる。伊利さんは、見事に次は栄冠を得た。この人の笑顔は100万ドルの笑顔だ。作られた笑顔ではない。“涙は修業、笑いは悟り”というが、その笑顔だ。リーダーには何よりも人間力が必要で、それが土台だ。政治家の劣化を誰しもが嘆くとき、この人は、無私の姿勢を貫きながら、坂戸市のロマンのために捨て身だ。捨て身の人は必ず清香を放つ。それこそ寒苦に耐えた梅のように。
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