社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
自民党の二階俊博元幹事長の事務所が2月に訂正して公表した2020~2022年の政治資金収支報告書には計3472万円の書籍代が追加されていた。17点の書籍を各200~5000冊購入したとされ、その中で目立ったのはノンフィクション作家、大下英治氏(79歳)の著書の多さだ。
購入金額で2位の475.2万円だった『政権奪取秘史 二階幹事長・菅総理と田中角栄』、3位396万円の『小池百合子の大義と共感』、6位231万円の『最長幹事長』など7冊が入っている。大下氏は政治家ばかりか各界有名人を描いた著作の多さで知られているが、取り上げられた政治家などからの買い上げもかなりあることが図らずも明かされた形だ。
二階氏の事務所は「出版社(作家)より最低買い取り数量を提示され、購入した」と説明しているという。買い取りの話が出れば、取材・執筆に忖度が生じがちで、都合の悪い話は避けがちになる。行き過ぎると単なる「ヨイショ」本になってしまう。
二階氏購入の大下作品を読むと、まめに取材しているのはわかるが、対象に肉迫するような迫力、臨場感に物足りなさを感じる。これは大下氏の執筆手法にも関係がありそうだ。
週刊誌の記者からスタートした彼は、広島大学の先輩で後に人気作家になった梶山季之氏(1930~1975)のスタッフライターだった。やがて本人も多数のスタッフを抱えるようになり、彼らに取材の多くを任せているはずだから、それをまとめた原稿にリアリティが不足するのは仕方ないかもしれない。
その代わり、この手法により数多くの著作が可能になった。梶山氏も月に400字原稿用紙1000枚と言われる速筆で知られていたが、大下氏も引けを取らず、著書は数えきれないほどだ。それだけの著作がありながら、ノンフィクション作品関連の賞とは無縁だった。ジャーナリストとかの矜持にしばられず、出版ビジネスに徹したかのような大下氏の執筆姿勢はユニークではある。
山田洋
バックナンバー
新着ニュース
- 作り話と思わせない出版商法(2024年09月06日)
- 浦和まつり 第43回北浦和阿波おどり(2024年08月17日)
- マルチバース(多次元宇宙)(2024年08月30日)
- 物価上昇をポジティブにとらえる(2024年08月29日)
特別企画PR