文芸広場
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学校から帰ればすぐにスマホとにらめっこ。わが家の女子高生である。高校生になったら買ってあげると約束していたので合格後すぐに買い与えたところ、これがやっかいなことに。とにかく家ではずっと触っている。話し掛けても、スマホに夢中で生返事。「ふんふん」「はいはい」と、わかっているのかどうなのか。
娘の中学生時代は、クラスの9割は携帯電話を持っていたような印象だ。スマホが多かったが、親の使っていたガラケーを使う子もいた。娘も携帯を欲しがったが、却下し続けた。スマホへの依存が嫌だったから。
そしてただいま、家族との時間をスマホに奪われている。画面の文字で友だちと会話しているので、娘の友人関係もよくわからない。だから、なるべく学校の話を聞くようにしている。話しに出てくる友人の名前もなるべく覚える努力をしている。最近、ひとの名前を覚えにくいので、ここで頑張るのは老化防止になるかも?
そういえば、以前、上の息子から聞いた話に衝撃を受けたことがある。高校の教室でカップルがキスをしているのを目撃してしまった時のこと、息子と一緒にいたクラスメートはすかさずスマホで写真を撮ったとのこと。息子からそのはなしを聞いてわたしはエー!っと大きな声を出して驚いた。そんなプライベートな写真を勝手に撮るなんて!何故?何のために?それがイマドキの感覚なの?わからない。わからない。
そういえば、こんなこともあった。息子が中学生の時、高校受験用の模擬試験を受けに行った先で、知らないひとから急に声を掛けられたとのこと。「おい、お前〇〇だろ?〇〇だよね!」と名前を呼ばれた。息子は相手のことを全く知らないので、驚いたそうだ。息子の学校の誰かが顔写真を見せながら噂ばなしでもしていたのだろう。
スマホによって、ひととの距離感が変化しているような気がする。自分のなかで、その流れに抵抗したい気持ちがある。いまのところ、どうしたらよいのかという明確な答えは見つからずにいるが。
檀 ままこ
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