文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
吉祥寺でクラフトビールを飲み、井の頭公園にてお花見をした。
今週火曜日の雨と昼間の風とでピンクの花たちは半分になっていた。
そして池にはまるで紙吹雪のように花びらが浮かんでいた。
私は満開のときよりも、今日みた、終わりに近い桜が好きだ。
花から顔をだす新緑が煌びやかで夏の足音を予感させる。
命短しの花が最後の終演でスポットライトを浴び妖艶に咲く。
そして新人の葉っぱたちが次の舞台を待つ。
花に浸って酔いしれているとふと昔からのジンクスを思い出した。
それは「井の頭公園のボートに乗った恋人たちは別れる」というジンクスだ。
吉祥寺に住む、隣にいた先輩にそれを投げ掛けてみた。
その答えは、「井の頭公園の池の神様が女だから嫉妬するんだって」と。
「へー」と思わず納得してしまった。
「じゃあさ、女同士だから嫉妬されないからボートに乗ろうよ」と言ったら「終ってるし」と先輩は笑っていた。
桜子