文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
今朝散歩道で
葉陰の赤い実を見つけた
秋は隠れていたものが顔を出す季節
葉陰の実は一ケ月前は無かった
子どものとき探していたものがある
何を探していたのか
それすら忘れてしまっていたが
葉陰の実を見たときようやく思い出した
それは夢の中で見た赤い実
波間に見えた銀色の魚影
梢から空に飛んだ鮮やかな飛影
宝石のように光る月夜の小石
そして一度も逢ったことのない人
ある日、遠くの世界から訪れるものがある
人が忘れた頃夜半に現れる流星群
壺の欠片から聞こえる五千年前の人の笑い声
石の中の声
それきり逢う事がなかった人の背中の声
百年ぶりに姿を現すものがいる
千年ぶりに顔をだすものがいる
私がいなくなった後私を探しにくるものがいる
晩秋の赤トンボである
秋は懐かしいものに出逢う季節です
大畑 ヨシオ
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