文芸広場
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隣に生えていた植物がどんな花を咲かせるのかとずっと見てきた。
実がなるのか、花が咲くのか、どんな花びらになるのか、ずっと心配しながらも見守っていた。
その植物もまた、私を見ていた。
「きれいな花だね」といつも言ってくれていた。
いつからだろうか。
見守っていたはずのその植物がいつのまにか形を変えていた。
いつからだろうか。
いや、わかっていたはずなのに…。
私の想像を超えた、大きな大きな木になり、私の花を覆っていた。
その包み込む愛に幸せを感じながら、今度こそは私が、この木が花を咲かせるその時まで目を離さないでいたい。
吉中 由貴
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