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文芸広場
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登山日和とでもいっていいだろう。清々しい晴天に恵まれいざ奥多摩へ。
今回は標高1405mの地、御前山のてっぺんを目指す。
御前山は三頭山、大岳山と並ぶ奥多摩三山のひとつ。なかでも最も体力を必要とする山だ。
実はゴールデンウィーク中にも、その日の朝思い立ってこの山に来た。
富士山を登頂している私にとって標高1405mはあまりに軽すぎる。そんな軽い気持ちで登山を開始。その直後、あまりの難所に二の足を踏み、登頂を諦めた。つまり今日はそのリベンジである。
まあ、少し大げさだが気持ちを強く持ち、つかまる木も岩のないところで腰を低めて地に手をついて登るための私の手にあう子供用の軍手を買い、急な勾配に立ち向かう。
幾分、高所恐怖症の私としてはドキドキの冷や汗だ。おまけに息も乱れる。
少し進んでは5秒休み、また頑張り、呼吸を整えての繰り返し。
息つく暇が無い厳しいコースに足もすくむ。さらに体力がなくなる下山への不安が頭をよぎる。
ここで自問自答の旅にでる。これは文字通りではなくココロの旅だ。選択肢を幾つかおく。
このまま進む。山は逃げない、体力のあるうちに引き返す。登頂を目的とせず行けるところまで行く。
ああでもない・・こうでもない・・思いを巡らせながら葛藤が続く。
選んだ結論は「逃げない」。
登山道と一緒、性格も少し難ありのため、ここで諦めると次の山に進めない性分というのが最大の理由である。それと登山は人生と同じ。苦しいときに逃げてはいけない。
途中、救助活動中の山岳救助隊とヘリに遭遇。単独で来た男性が狭心症の発作を起こしたらしい。
ホバリング中のヘリコプターの爆音や風圧は予想以上に大きく驚かされた。
やはり登山を軽くみてはいけない。救助の光景を観ながら肝に銘じた。
野次馬とおにぎりタイムもいれ、3時間半で念願の登頂を果たす。
山頂は木々に覆われているため眺望はよくないが、少し手前の絶景ポイントで美しき富士山を拝めた。
「頑張ったわたしへの神様の贈り物だ」と疲れも吹っ飛んだ。
しかし喜びも束の間、登山は登るだけではない。あの勾配を下りなければならない。ちょっぴり泣きべそをかきながら2時間ちょっとかけて下山。
ゴール間近、何やら高い声が。ふと、声のする方に目をやると間近になんと鹿が2頭。
しかも(しゃれではない 笑)こちらを見ている。動物園なら写真におさめるところだが、ここは山中。そんな余裕もなく、下山でよかったと肩をなでおろしながら足早に去った。
たかが登山、されど登山。いろいろあったが、私のリベンジ登山は言い知れぬ達成感とともに終わった。次はどこの山に行こうかな♪
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