文芸広場
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土曜日、靖国神社の桜が咲いた。基準木の桜が咲くことによって開花宣言となる。今年は二週間早い開花とか。
さくらには、底知れないパワーがあって、多くの小説のプロットに使われている。
一説によるとお花見は今を生きることの祝宴でもあり、亡くなった人へのレクイエムでもあるようだ。
昨年、念願の京都の勝持寺にいくことができた。
西行寺である。西行法師は桜を愛したことで有名である。
私は学生時代に「願わくば花のしたにて春死なむその如月の望月のころ」
という西行の歌に出会った。そして、はじめて死生観をもったのだ。
メメントモリという「いつも、死を思え」という言葉と
西行のこの歌は私にとってワンセットだ。
「桜には精が宿る」という言葉もある。
本当に桜の季節は「何かが」うごめいている気がする。
さて、東上線も西武線も横浜元町中華街に直通運転が走り始めた。
東横線への乗り入れだ。目黒川沿いの桜並木は都内で最も私が愛する
場所だ。中目黒の「バッチョーネ」というイタリアンでランチタイムに
ワインと料理で桜を愛でると、「ああ今年も元気でよかった」と思い、
西行法師を思うのである。