新六軒道路沿いは、コンビニとチェーン外食店が軒を連ね、どちらかといえば予定調和的だが、café幸（こう）は、こぢんまりとした佇まいで、シックな雰囲気のカフェである。

店主の佐藤光代さんは長年接客業に従事し、生まれ育った浦和で、地域の人々がホッとできる空間を作りたいと独立し、2011年1月にオープン。試行錯誤を繰り返しながらメニューを開発し、内装外装にも工夫を凝らしてある。　

ブラジル、コロンビア、グアテマラ産豆がバランスよく配合された自慢のブレンドコーヒーは、程よい甘さでマイルド感があり、そして上品な味わいである。

最近人気が高いのが、焼きカレーである。ドライカレーの上にキーマカレーを重ねることにより、辛さが前面に出るが、すっきりしていて食べやすい。欧風な焼きカレーというのは、甘さが際立ち、味が上滑りする感じがしたので、規定概念を捨て一から開発を重ねて、今の形になったそうだ。　

そして、cafe 幸の名物メニューといえば、ワッフルである。評判通りのサクッとした外側と、フワッとした中側で、食感が良い。上に載った生クリームやアイスクリームも甘さ控えめで、ワッフル本来の甘さを壊さないように工夫されているのだ。

Cafe 幸は美味しさに溢れているが、人の温もりを強く感じるお店でもある。光代さんの母、幸子さんがほぼお店に常駐しているが、客にもスタッフにも笑顔で声をかけ、和みの存在である。

これからも人の温もりを大切にしながら、地域の方々が「ホッと」できる空間を提供し続けたいと、店主の光代さんは母譲りの素敵な笑顔で語ってくれた。　

（直木　龍介）

Cafe 幸

さいたま市中央区大戸2-23-2　

電話048-762-3458

※毎週日曜日と第3月曜日定休