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コラム …男の珈琲タイム
人それぞれに深く納得していることわざがあるのではないでしょうか。
私自身にとってはそのひとつに立って(起きて)半畳、寝て一畳というものがあります。
父に教わったと記憶していますが、昭和ひとけたの父も好きだったことわざでした。
改めて意味を調べ直してみると、人が立っている時に必要なスペースは半畳、寝ても
せいぜい一畳あれば十分である、そこから欲を戒める意味のことわざとありました。
その後に天下取っても二合半と続ける場合もあります。
もともとは織田信長の言葉、また明治時代に夏目漱石門下の内田百閒が広めたとの
説があるようです。
明治以降、西洋合理主義・人権思想が入ってきて個人の可能性は無限であるといった
思想を初めて体験する中、そのアンチテーゼとしてこのことわざが往時の人々の共感を
得た部分もあったのかも知れません。
また禅の精神、ともすれば欲をおぼれてしまいがちな個々人間を諌める、自立しコントロ
ールしていく、そこからの影響も見て取れる気がします。
もちろんその通りであり、そこからまずそうして身の丈を知り我欲を抑え、粛々と事にあたっていく。
その心構えと示すことわざであると理解してきました。
字義そのものが持っている意味、そこはきっちりと抑え、消化して自身の言葉としていく。
なかなかに楽しい工程ではないでしょうか。
人と人を繋ぐもの、言葉・ことわざの力は測り知れないものがあります。
最初はこなれなくても日々のコミュニケーションにことわざも折り込んでみるのはどうでしょうか。
一層豊かでより深い関係が生まれていく。とても意味のある事であると思います。
千里の道もまず一歩からですね!
(風太)
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