トップページ ≫ 社会 ≫ 「スポーツのまち さいたま」~その方向性
社会
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「さいたま市スポーツ振興まちづくり計画」が平成23年7月末に策定され、市民が「いつでも」「どこでも」「いつまでも」スポーツにかかわることができる機会を増やし、「する」「みる」「ささえる」「まなぶ」という、「日本一スポーツで笑顔あふれるまち」の実現に向け取り組んでいるさいたま市。
近年では、「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」「さいたまシティマラソン」の開催など、「スポーツのまち・さいたま」として、着々とその実現に向けての取組みがされている。
さらに本年秋には、横浜で開催されていた「横浜国際女子マラソン」がここさいたま市で開催される。益々、注目されるまちとなりそうだ。
しかし、忘れてはならないのは市民だ。スポーツを間近でみることには市民も興奮を覚えるが、スポーツにかかわることができるかといったらそれは少し意味が違う。
その一つとして、前述した横浜国際女子マラソン。これは横浜で開催されていたものがスポンサー収入の減少で6回目の昨年で幕をおろした。そしてあらたにさいたま国際マラソンとして11月に誕生する。清水市長は「市民マラソンのフルマラソン化と国際女子マラソンの合体」と話す。いわゆる東京マラソンと同様のものだ。
東京マラソンに過去三度出場経験がある私だから言えることであるが、以前のさいたまシティマラソンはフルマラソンではなく、ハーフマラソンのため、マラソン好きなランナーとしてはあまり魅力を感じないものであった。だからこそ、この市長の言葉に緊張感と期待感を多くの市民ランナーが持ったはずだ。
ところが、概要をみると、フルマラソンは日本代表チャレンジャーの部、サブ4の部、3キロ、1・5キロ、親子マラソン。
このサブ4とは4時間以内に完走できるランナーのことだ。市民ランナーにとって4時間は厳しいタイムである。ちなみに当選が難しい東京マラソン、板橋シティマラソンの制限時間は7時間である。以前のハーフマラソンでは2時40分とう緩やかなものであった。その倍を走るフルマラソンとして5時間半は欲しいものだ。
このような要因からもっとも市民に遠いマラソン大会となってしまった。
先日、スポーツ関係の仕事に携わっているA氏が「さいたま市はスポーツのまちとして売り出しているが、させたいのか、みせたいのか、みせたいとしか思えてならない」と述べていた。
みせるスポーツは膨大なコストがかかるというデメリットもある。
もっと身近な、させるという方向に力をいれ、バレーや卓球など多くのスポーツを推奨し、少年団の強化、また施設の充実など、多くのスポーツマンを育成してこそ「スポーツのまち」となるのではないだろうか。
(古城 智美)