社会
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少し前までは相続税というのは、限られたお金持ちだけが払う税金だと思われていたが、税制の変更に地価の高騰が加わり、首都圏に平均的なマイホームを持った人々にも無縁でなくなった。人が亡くなると、10か月以内に相続税申告書を税務署に提出し、相続税もそれまでに現金で納めなければならないから、事前の準備は欠かせない。
相続税では(3000万円+600万円×法定相続人の数)という基礎控除があるので、夫婦と子2人の家庭では、夫が亡くなった場合は4800万円(3000万円+600万円×3)までの相続財産には課税されないが、それだけではおさまらないケースは多いはずだ。手っ取り早い節税法としては生命保険、特に終身保険の活用があげられる。保険金の受取人が法定相続人であれば、(500万円×人数)が非課税になる。
もっと節税効果が大きいと専門家たちが薦めるのは賃貸用マンションの購入だ。1億円もするタワーマンションではなく、1000万~3000万円のワンルームから2LDK程度の中古マンションを複数購入する。ワンルームなら新築で2000万円以上になるが、中古なら1000万円台ですむ。相続税評価額は、その部屋の持ち分としてのわずかな土地の評価額と建物の固定資産税評価額の合計となる。1000万円のマンションなら200万~300万と評価されるから、7割以上の評価減となる。
高額なマンションだと、複数の相続人がいれば、みんなで共有する形で相続することが多く、その場合、売却とか担保に入れる際に全員の同意が必要になる。複数のマンションにした場合は、それぞれを単独所有にしやすく、後々の煩わしさが避けられる。賃貸に出しても、このようなマンションは借り手が見つかりやすい上に月々の家賃を得られる。それには物件の立地のよさが重要で、場所が複数になることで、リスクも分散できる。
山田洋