トップページ ≫ 社会 ≫ 2050年を超えて 持続可能なコーヒーのある生活を
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
世界における一次産品輸入額ランキングの変遷を見ると、①石油、②天然ガス、③鉄鉱石、その後は銅、続いて小麦や米などという生活に欠かせない鉱物や食糧が並ぶなか、そのカテゴリーに属さない嗜好品であるコーヒーが常に10位以内をキープしている。
この事は、コーヒーはエネルギー、資源、食糧と同次元で、現代の人々が生活していくに上で必要不可欠なものとなっている証左といえよう。
全世界で1日約20億杯が飲用され、関連産業への従事者は約2,500万人。コーヒーに関わる年間の売上高は800億ドル、約70ヶ国で生産されている。
我が国日本のコーヒー市場をみてみると、独自の商品として缶コーヒー、一杯抽出型のドリップコーヒー、ペットボトルコーヒーなどを次々と生み出されて、飲用シーンは拡大の一途を辿っている。現在では、欧米諸国と肩を並べる世界4位のコーヒー消費大国となっている。
歴史的・文化的に欧米先進国が主導しているコーヒー産業においてあまり知られていない事と思われる。しかし2015年、国際コーヒー機関(ICO)が、日本のコーヒー市場の発展を世界も見習えと、かねてより日本で定めてきた「コーヒーの日(10月1日)」を、「International Coffee Day(国際コーヒーの日)」と定め、今では世界共通のコーヒーの日になっている。
一方、コーヒー豆生産量の約6割を占めるアラビカ種の栽培適地が気候変動、病害虫の繁殖で、2050年までに半減するといわれている『コーヒー2050年問題』。品種改良を始めとした技術革新によってサーマルにコーヒー産業全体を支える続けられる体制の構築が急務だ。
一杯のコーヒーに凝縮された様々な事象に想いを馳せ、より良い未来を望みたい。
小松隆