文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
真珠の歴史は苦難の歴史です
ある日養殖された会派「貝柱」が強いられる
貝立ては強制収容所です
貝は呼吸できない状態を強いられ口を開けると
肉を裂かれ「核入れ」される
埋め込まれる核は五ミリ大のドブ界の柱です
「痛い」「苦しい」「助けて」
真珠の加工場は悲鳴で満ちています
真珠貝は溺死の状態で数日過します
その後 養殖場の海に二、三年吊るされる
埋め込まれた異物を取りたいが会には手足が無い
貝ができるのは涙を流すだけ
やがて核の周囲に一ミリ程の真珠層が形成されます
養殖籠が引き上げられ真珠をとりだしたあとは食用になります
真珠は真珠貝の涙です
幼い日の痛みが全て美しい真珠にはならない
殴られた子は殴ることを覚える
ある者は意地の悪い大人になり 凶悪犯に成長する者もいる
出来上がった真珠も様々です
苦難を越えて真珠貝のような人がいる
シスター渡辺和子はこの世の真珠です
生前は知られなかった金子みすゞも人の世の真珠です
宝石店にはありませんが二ミリ程のアサリの真珠もあります
私の身の周りにもアサリの真珠をもっている人がいます
山上村人