トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第5章 将来のタブー(71)
教育クリエイター 秋田洋和論集
何も予定通りに進められず、土壇場で慌てる子をただ見ている
中学生の三年間はさまざまな部分で本人の将来に影響を及ぼしますが、そのなかでも大きいのが「思考習慣」です。たとえば夏休みの宿題を例に挙げると、
小学生のときには、ほとんどの子どもが無計画に進めて土壇場で慌てる
ものですが、中学生になると「きちんと計画的に進める」タイプと「相変わらず無計画」タイプに二極化します。その原因が「思考習慣」なのです。
「思考習慣」とは私が普段から生徒に教えている造語で、単純にいえば「目標」をしっかりともつ習慣です。
目標があれば、部活動でも勉強でも「目標をクリアするために何をすればよいか」を考えながら行動するようになります。
目標から逆算する習慣、つまり「やるべきことを今やらなかったらどうなるか?」と広い視野をもって想像する習慣が付いているからこそ、
今日この瞬間をサボらずやるべきことを積み重ねる
ことができるのです。だから疲れて眠くても、忙しさに負けそうになっても、部活動や勉強を頑張ることができます。
何をやっても気分しだい、いきあたりばったりの子どもとは、最終的な到達点が大きく違ってくるものです。
この目標がつまりは「将来の夢」です。これなしになんとなく毎日を過ごしていたら、つまらない毎日になってしまうと思いませんか。
たまにでもかまいませんから、子どもの「夢」を親から聞いてやってください。たとえ「特にない」と言われても、それが考えるきっかけになるかもしれません。将来の夢なんて、はるか遠い未来の話に思えるかもしれませんが、だからこそ日常生活の「目標」に落とし込むことが必要なのです。
夢について語り合う、それが「締め切り前に慌てない」思考を養う第一歩なのです。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より