トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第1章 子育て方針のタブー(4)
教育クリエイター 秋田洋和論集
うちの子は変わってしまった、と嘆いている
「親の問いかけに返事をしない。そもそも話を聞いてすらいない」
「身長が私を追い越し、見下げるような姿勢で反抗的な態度をとる」
自分自身の中学・高校時代を棚にあげて、子どもに不満顔なお母さんをよく見ます。
反抗期を迎えたわが子に対するお母さんの「寛容度」も時代とともに変化していて、昔に比べて余裕をもって受け止められる人が減りました。
「まさか、うちの子がこんな言動をするようになるなんて」
と、うろたえたり悲しんだり、人によっては子どもと同じレベルで言い合いを始めるケースまであります。
「反抗期」の子どもたちに現れるのは、表向きは親との摩擦。しかし内面では、自分自身への苛立ちを感じるようになってきています。心身の変化が著しくなり、自分でもそれに戸惑っていたり、友人関係も小学校時代とは違ってより深くなり、その距離感がよくわからず悩むこともあります。異性に対する意識も強くなります。
子どもたちは、そんな疾風怒濤の時代を懸命に過ごしているわけです。そんなときに、親が小学生のときと同様「言うことをきちんと守る、手のかからない子が望ましい」という認識であれこれ話しかけたとしたら、
「自分のことをわかっていない!」
と子どもに反発されるのも、無理はありません。
ほとんどの子どもは、新しい環境のなかで毎日のように試行錯誤を繰り返しています。その過程で、うまくいかない自分に対して苛立っているのです。決してお母さんに苛立っているわけではありませんから、安心して見守っていてください。
親が子どもと同じ土俵に上がってはいけません。「返事をしない」「反抗的だ」と目の前の姿にとらわれるのではなく、「今はこういう時期なんだ」と大局的に捉えるのです。
「いつまでも変わらないでいてほしい」という夢は、そろそろあきらめましょう。それは親の勝手な都合でしかありません。子どもが自分で大人へのステップをあがっていく姿を、人生の先輩として応援してやってください。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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