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県議会・市議会 視座「子どもの貧困状況調査と、貧困の実態に伴う対策について」県議会より(前)
2016年11月30日
2014(平成24年)に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」が施行され、家庭の困窮に子供たちが巻き込まれている実態を研究、把握し、対策を講じるよう自治体に求められている。子供の貧困の背景には、親の貧困があり、特に深刻なのは母子家庭などのひとり親世帯の子供。貧困率は54.6%で、先進国の中でも最悪の状況かつ過去最悪を更新している。子供の貧困対策の柱は親の就労支援が必要だが、問題は低賃金構造と就労体系が問われている。非正規雇用では貧困層から脱却できない現実。まったなしのところまで子供の貧困対策はきていると考えられる。
松坂喜浩議員(革新)が、県内の子供の貧困状況調査の働き掛け、貧困家庭を救う具体的支援策、教育現場においての支援について質問し、福祉部長と教育長が答えた。
また、貧困も虐待の原因となり得る観点から、児童相談所の運営体制の提案と児童相談所と警察の連携強化や里親委託の積極推進についての質問をし、上田清司知事が答えた。
●松坂喜浩議員(改革)からの質問と提案
①国は市町村に対する貧困状況の調査に対し、補助を開始している。こうした交付金を活用し、県内の子供の貧困状況調査を働きかけるべきではないか。
②貧困家庭を救う支援策として、「経済支援」「生活支援」「就労支援」「教育支援」があげられるが、県としての具体的な政策はどのような取り組みか。
③教育現場において貧困の実情を把握したうえで、学習指導や生徒指導に当たるべきではないか。
●部長の回答
①国は子供の未来応援交付金を創設し、市町村が貧困の状況にある子供や家庭の実態把握と支援ニーズの調査を実施する場合に助成する制度を、2016(平成28)年度から開始。この交付金を活用し、貧困状況調査を実施するように働きかけを行う。
②県は2015(平成27)年3月に「子育て応援行動計画」を策定し、「教育支援」「生活支援」「保護者への就労支援」「経済的支援」の4つの分野において、子供の貧困対策に取り組んでいる。
「教育支援」については、生活保護世帯や生活困窮世帯を対象とし、高校進学に向けた学習支援などを実施。
「生活支援」として、2016(平成28)年度から県営住宅に低所得の若い世帯に限定した募集区分を設けて貸し出しを開始。
「就労支援」「経済的支援」として、就業相談、就職のための講習会の実施、資格取得のための給付金の支給などを行っている。
●教育長の回答
③小中学校では、家庭訪問、保護者面談などを通じて就学援助の状況を含め家庭状況を把握。
高等学校では、家庭状況を記した調書からの情報や保護者を交えた三者面談に加え、日ごろからの生徒への声かけや相談に応じるなどできる限り家庭の実情を把握するよう努めている。
把握した実態に基づき、貧困により学習環境が整えない場合は、個別指導など学校が適切に講ずることが重要。また、家庭での食事などに困っている児童生徒には、学校と市町村の福祉部門や児童相談所など関係機関とが密に連携し、地域社会も巻き込んだ支援体制で臨むことも必要。
進学希望者には奨学金が充実した進学先紹介など、個々の状況に応じた指導を行っていくべきと考える。
(つづく)
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