文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
亡くなった人は草葉の陰から
この世を見ている
草葉の陰は小さな空間なので
亡くなった人は妖精か
小さな虫になってしまうのだ
草葉の陰は春は花影
夏は涼しい風の吹く緑陰
秋は金色(こんじき)の紅葉の光の中です
この世を去った者達が選ぶ様々な姿がある
さらに大きな力を望むものは獣に生まれ変り
殺し殺され血にまみれてまた次の世を迎る
高い天上界に上っていく正しい者達もいるが
気がかりなkの世界に再び
見えない風や小さな妖精に生まれ変る者もいる
妖精になった者達は夜は星空の中から
昼は草葉の陰から人の世を見ている
小さな生き物が見ている世界がある
蜂が知っているチューリップの花弁の部屋
蟻が散歩道で見上げるタンポポの巨木
蝶が遊んでいるカラスノエンドウの森
テントウムシが見上げる(満点星(ドウダンツツジ))の港の灯
みな身近にあって人間の知らない世界だ
人間は賢(さか)しらで愚か、無惨な生き物です
草葉の陰に生きる者達は
人の幸せを願い
地球に残された者達を見守っている
大畑 ヨシオ