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文芸広場
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春一番が吹いた
自転車で容赦ない向かい風
地面をコロコロと転がる
ビニール袋やお弁当の空き容器と
何度かすれ違った
止まることをしらないごみ
どこまで転がっていくのだろう
多くはポイ捨てされたわけではない
ごみ集積所に捨てられたけれど
何らかの理由で飛ばされてしまったごみ
運良く誰かに拾われ
ごみ箱に捨てられたら
無事ごみ処理場へ運ばれるはず
そうじゃないごみは
やがて川や海にたどり着き
どこまでも流されていく
決して自然に還ることのないプラスチックごみ
世界中の海には
プラスチックごみのたまり場がいくつもある
どこまでも小さくなり
海に住む生物のお腹に入る
プラスチック自体に害はないけれど
漂流している間にさまざまなものを吸収して
害のあるものへと変化する
漂流するプラスチックごみが増え続けると
人間にもいずれ害が及ぶ
さあどうする?転がるごみのように
ただされるがまま転がるだけ?それとも?
選択肢はいくつもある
まだ間に合う
岡 アヤコ