トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと 第2章生活習慣のタブー(34)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~家族そろって食事をとる機会がない~
「孤食」という言葉をご存知でしょうか。食事を一人で食べる行為のことです。小学生や中学生の間でも増えているそうで、その弊害も少しずつわかってきました。
独立行政法人日本スポーツ振興センターの調査によると、小学五年生と中学二年生の子どもたちのなかで、
「朝食を一人で食べる」と答えた子どもの半数以上(51・3パーセント)
「夕食を一人で食べる」と答えた子どもの役六割(57・9%)
が「身体のだるさや疲れやすさを感じることがある」と答えたというのです。とくに夕食では「良く感じる」と答えた子どもの割合が、家族でそろって食べる子どもの15・2パーセントにたいして、一人で食べる子どもは32・5パーセントと、倍以上の値を示していて、食事環境と体調との関わりが注目されています。
「イライラする」頻度と食事環境との関係についても調査結果が出ていて、やはり「一人で食べる」子どもの「イライラする」と答える割合のほうが、家族そろって食べる場合よりも10ポイント以上高くなっています。
私の周りでも「疲れた」と口にすう子どもは増えている実感があります。その原因の一つに「孤食」があるとは、大人はなかなか気づかないものでしょう。ですから小学生の今こそ、一緒に食卓を囲むように心がけてください。これから子どもが成長するにつれて、家族がそろって過ごすことができる時間はどんどん減っていくのです。
また、一緒に食卓を囲むことが家族の約束事になっていると、やがて子どもに訪れる反抗期の際に思わぬメリットをもたらします。子どもが憎まれ口を叩くようになっても、あるいは口をきかなくなったとしても、食事すらとらずいつまでもへそを曲げ続けることはできません。家族で一緒にとる食事を通して最低限のコミュニケーションをとることは、子どもにとってはもちろん親にとっても、最良のきっかけづくりになるものです。
小学生の今のうちに、最初は週に一日、二日であったとしても、「食事を家族一緒にとる」習慣を定着させておきましょう。これが五年後、十年後に大きな効果を発揮するのです。
中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より
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