トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 学習指導要領の改訂に伴う,さいたま市の動きについて
教育クリエイター 秋田洋和論集
いよいよ来年度(平成23年度)から小学校で,再来年度(平成24年度)から中学校で,新しい学習指導要領が全面実施となります。
※改訂される指導要領の詳細はバックナンバーを参照
http://www.qualitysaitama.com/?p=275
http://www.qualitysaitama.com/?p=372
これにより,小学校では,第1学年が68時間,第2学年が70時間,第3~6学年は35時間,中学校ではすべての学年で35時間,年間授業時数が増加することになります。これは,小1・小2ではほぼ週2時間の授業時間増,その他の学年においてはほぼ週1時間の授業時間増を意味しており,中学校では6時間授業が週3日から週4日となり,時間割がこれまでより過密となるのです。
この改訂により,学校現場では児童・生徒会活動や学校行事,部活動等の時間の確保が困難になるであろうと予想されていました。
年間総授業時間数の変化
| 
 
  | 
 現行の 学習指導要領  | 
 →  | 
 新しい 学習指導要領  | 
 増加時数  | 
| 
 小1  | 
 782  | 
 850  | 
 +68  | 
|
| 
 小2  | 
 840  | 
 910  | 
 +70  | 
|
| 
 小3  | 
 910  | 
 945  | 
 +35  | 
|
| 
 小4~小6  | 
 945  | 
 980  | 
 +35  | 
|
| 
 中1~中3  | 
 980  | 
 1015  | 
 +35  | 
そこで,さいたま市教育委員会では,学校生活のゆとりを確保し,教育活動の充実を目指すために,平成23年度から市立小・中学校の年間授業日数を205日以上とする決定を行いました。
205日以上の年間授業日数を確保するために,
・開校記念日を授業日とする(これまでは休日)
・学校公開や特別授業(地域の方を講師に迎える等)は土曜日に実施できる
・長期休業日(夏休みや冬休み)の数日間を授業日とする
といった変更を行います。土曜日の授業を実施する場合には,校長の判断で「学校週5日制の趣旨を踏まえ,学校・家庭・地域との連携を図る視点を明確にした授業」であれば,教育課程に位置づけられた授業として承認されるそうです。
年間授業日数の変化
| 
 年度  | 
 H22  | 
 H23  | 
 H24  | 
 H25  | 
 H26  | 
| 
 現行の規則に よる授業日数  | 
 197日  | 
 197日  | 
 199日  | 
 199日  | 
 200日  | 
| 
 ↓  | 
|||||
| 
 新しい規則に よる授業日数  | 
 205日以上  | 
||||
さいたま市では,すでに今後の長期休業日の日程を発表しています。
・夏季休業日 7月29日~8月31日
→平成23年度の1学期終業式は,7月28日(木)
・冬季休業日 12月25日~翌年1月7日 (これまでと同様)
この決定により,例えば小5では,現行週28時間(6時間授業が週4日)の時間割を週27時間(6時間授業が週3日)と,今回の指導要領改訂をきっかけにして,逆に週あたりの時間数を減らすことができるようになります。不足する時間数は長期休業日などで補完しますが,毎週余裕ができた1時間を学校行事などに利用することができるわけです。中学生においても同様で,部活動の練習時間を確保することが可能になります。
その一方で,実質的には夏休みが1週短くなります。学校以外で所属しているチームや団体の合宿,あるいは塾の夏期講習の日程などに影響が出ることが予想されますので,来年の夏の予定を決める際には注意が必要です。
~秋田洋和~
教育クリエイター。
塾・予備校の新規事業プロデュースや私立中学の教務コンサル,教育最新情報の発信など多方面で活躍
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