トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 中学校に入る前に親がしては いけない80のこと第1章 子育て方針のタブ一(8)
教育クリエイター 秋田洋和論集
~うちの子はすぐに泣く、と時々じれったくなる~
小学校高学年にもなると、子どもは身体的に、急激に成長しはじめます。男の子などはお母さんの背丈を超えてしまうことが多いので、つい「大人としての立ち居振る舞い」を要求してしまうものです。子どもがポロリと涙を流すと、「もう子どもじゃないんだから、泣くんじゃないの!」と叱ってしまうかもしれません。
しかし小学校高学年は精神的にはまだまだ子ども、おこちゃまです。
こどもが「泣く」という行為は、幼児期から小学校低学年までと、高学年以降では、その背景が明確に違うと私は考えています。
幼児期であれば「自分の主張を認めてもらうため」に、泣き叫んで暴れます。しかしながら、小学校高学年から中学生にかけての「泣く」という行為は、その一つひとつが大人になるためのステップなのです。
とくに男の子の場合には、中学生になっても「自分の考えを他人へ上手に説明できない」ケースがよくあります。算数の問題で「答えは出たけれど、その経過を他人に説明できない」ことがよくあります。さらに、自分が何かいけないことをやらかしてしまったときであれば、「理由なんてない、目の前にあったから無意識にいたずらした。まさかこんなことになるとは・・・・」といったレベルのことが多いので、「ちゃんと説明しなさい!」と言われても、何をどのように話せばよいのか見当すらつかないのです。だから感情のコントロールがつかなくなって、「何を聞かれても黙り込んで、目からポロリと涙が落ちる」のでしよう。
小学校高学年以降で「泣く」という行為が現れたときには、お母さんがいくらイライラして怒ってもなんの解決にもなりません。お母さんに「怒られて恐い」から泣いているわけではないからです。
このような場面に遭遇したら、「なんで泣くの! 泣いてちゃわからないでしょ!」は逆効果。
「まあゆっくり落ち着きなさい」
と温かい飲み物でも渡してあげてください。そのほうが何倍も早く解決します。
「中学校に入る前に親がしてはいけない80のこと」(PHP文庫) 秋田洋和より