友人から本が届いた。彼女自身が書いた俳句集「鳥巣立つ」だった。青色と黄色の表紙は、彼女を想像させる優しいイラストが描かれていた。それだけで心が躍った。私は一気に本を読み終えた。涙が止まらなかった。何とも言えない感情が込み上げてきたのだ。一句、一句に彼女の人生を想像した。素晴らしい。嬉しい。こんな素敵な本を出版する彼女に嫉妬さえ感じるほど羨ましく思えた。

彼女とは息子のテニスを通じて知り合い、かれこれ20年位のお付き合いになる。彼女はいつも前向きで明るく、周りの人を楽しくさせてくれる。お酒が大好きでいつも可愛い酔っ払いに変身する。数年前に大病を患ったときも、いつも笑顔だった。

こんなに素敵な友人がいることを誇りに思い、嬉しくてたまらない。そして私もまだまだがんばろうと力強く心に誓った。ありがとう、美緒さん。

中山薫