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コラム …男の珈琲タイム
池波正太郎のテーマはたったひとつ。「情」だ。そして義理と恩が続き次に判断、構築、引力といき、トロッコができる。
鬼の平蔵は実在の人物だったが故に説得力がある。情と涙と理が重なっているリーダーにのみ人はあつまりついてくる。今の教育のまちがっていることの1つに、偏差値を求めるがあまりに冷たい秀才を世に送りだしているきらいがある。生きていくなかで割りきらなければならない場面は多々あるが、そのまえに涙し、もがき苦しむという所作がなければならない。しかし、冷たい秀才達はそれができない。情がすっかり枯れはててしまっているから人間の砂漠化を平気でつくっていくのだ。もちろんこの砂漠には笑いもない。人はやはり、笑い・理・涙を重ねて自己の中に備えていなければならない。涙や情や笑いの泉があってこそ、人なのだ。正月から鬼の平蔵は教えてくれる。