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コラム …男の珈琲タイム
【折々の女将たち】
名女将と呼ばれなくとも
四季折々の花のように
様々な色彩を放ちながら
生きとし生きる女将模様を綴る
銀座のクラブから女将へ
銀座の超有名クラブで二十代から稼いだ。生来の美貌に加えて、商才があった。貯えた金は、二千万を超えたところで、彼女は北関東の老舗の旅館に仲居として入った。頭角をメキメキとあらわし、その仲居はすぐフロントにまわされた。大女将には子供がなかったから、この彼女は大女将の心を捉え、女将としての修行が始まった。銀座でいくら客扱いに優れていても、女将はある種の万能さを要求される。睡眠時間はナポレオン並みで頑張った。ちやほやされる世界とはまるで違うとわかったとき、彼女は本当の女将となった。
この女将の夢は温泉という健康資源を世界の人たちに与えてやりたいということだという。今、彼女は、全く銀座のネオンの光を忘れた。女将という実の世界に彼女は、真の生きがいを感じているという。虚と実と。女将の場は完全に実の場だ。