簡単に世界遺産登録できるわけがない
世界遺産登録を目指す行田市・埼玉古墳群が文化庁の発表した国内暫定リストに不登録となったのは2008年9月。以来、メディアの話題に上ることもめっきりと減ってしまったように思われるが、あれから2年、運動はどうなったのか?
2004年11月、行田商工会議所会頭就任とともに、世界遺産登録運動の牽引役となってきた鈴木秀憲氏に話を伺った。鈴木氏は、県や市に働きかけて運動を盛り上げるとともに商工会議所を中心に世界遺産サポーターの会を立ち上げるなど地域住民の参加も呼びかけてきた。
「運動を始めた当初から、すんなり暫定登録されるとは考えていませんでした。地域の活性化を第一の目的として始まった運動です。だから、一度暫定リスト入りできなかったからといっても、まだまだこれからです」
ロータリーでも
サポーターの会の活動に加え、現在、国際ロータリー第2570地区の世界遺産登録推進委員長として地域の企業家たちにも協力を呼びかけている。8月28日はロータリーの県南エリアである第2770地区のセミナーでも講演した。
「埼玉県名発祥の地でもある埼玉古墳群を世界遺産登録するための努力は、埼玉県人にやや欠けているといわれる郷土愛や地元意識を高め、自治意識や団結力を育んでくれるはずです。もちろん世界遺産に登録されれば、“さきたま=埼玉”の知名度は上がり、県全体に経済効果を期待できる。そういった団結心や経済効果によって地域全体の活性化がはかれれば、ロータリーの行う社会奉仕としても大いに意義がありますね」
埼玉古墳群が今後、国の特別史跡、そして暫定リスト入りを果たしていくためには、さらなる史実の解明が求められる。古墳の中に眠る遺物の数々を発掘・研究していかねばならない。文化財としての価値を損傷することなく作業を進めるにはばく大な費用がかかる。そのためには県民の関心と要望が重要な要素を占める。「県民全体へ訴えるためにも、まずはロータリアンに率先して運動に取り組んで貰えれば、大きな価値があると思うのです」
諦めない
2007年に世界遺産登録された石見銀山にしても半世紀も前から地元は地道な保全活動を行ってきた。埼玉古墳群は運動が始まってから、たった6年。
「決して諦めない。サポーターの数が増えれば、それだけ県に対しても大きな力になります。世界遺産運動は、いま第2ステージに突入したんです」
埼玉古墳群の史跡的価値は文化庁も認めている。世界遺産登録できるかできないかはともかく、発掘等の研究は完成させるべきだ。県や市の責任は小さくないし、それを後押しするのはサポーターなど住民の力だろう。そうした運動こそが地域活性化につながる。第2ステージに入った世界遺産運動を応援していこう。
世界遺産サポーターの会への入会は、入会登録料が個人1,000円、グループ(企業・団体)10,000円。登録料を払えば、年会費などは不要。問合せは、世界遺産サポーターの会事務局(行田商工会議所内)048−556−4111まで。
【参考】
“残念!埼玉古墳群、世界遺産暫定リスト入りならず”
http://www.qualitysaitama.com/?p=359


















