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連載エッセイ

本当は大した問題ではなかった普天間基地移設問題解決延期&小沢による天皇政治利用[ 2009 年 12 月 21 日 月曜日 ]

 鳩山政権叩きのプロパガンダが激しさを増している。確かに経済対策なども結局、財務省の手玉にとられ、身動きがとれない状態である。だが、これについては想定の範囲内だろう。経済的に行き詰まるのは見えていた。これを打開するのは、キャスティングの問題でもある。
  
 それはさておき、前から書いてきたように普天間基地問題に関して「アメリカ様は怒っているぞ!」「このままでは日米関係に亀裂」といった声高なプロパガンダで、産経・読売・日経・朝日といったマスメディアは満たされている。「大した問題ではなかった」などと言っては沖縄県の方々に失礼だが、メディアが報道するような「日米同盟の危機」などという問題ではないということである。
  
 いまや、普天間問題については複雑に意図が絡み合い、問題の本質が見えにくくなってしまったが、表に見える現象でいえば米国激怒・日米関係亀裂というのは、どうやら相当な過大評価のようだ。ロイターの報道“アメリカにとって普天間は「瑣末な問題」”には、「オバマ大統領が憂慮している世界の安全保障問題を100とすると、アフガニスタン、イラク、パキスタン、イランといった中東諸国の対応に約80が取られる。イスラエルと北朝鮮に15、残りの数パーセントに普天間が入るという構図である」とある。岡田外務省も「ルース大使激怒」記事は創作だと語っている。
  
 そして「このまま民主政権では日米関係に亀裂」という主張の一方で、おざなりにされているのが伊波洋一・宜野湾市長が詳細な証拠と共に証明した“海兵隊丸ごとグアム移転計画”に関する検証だ。この計画は2006年7月に米国防総省のホームページにもアップされたが、たった1週間で削除され、自民政権は「グアムに移転するのは司令部だけ」と言い出した経緯があるようだ。
  
 ここに薄汚い取引があったのだろう。日刊ゲンダイには「その食い違いが今回、伊波市長が公開した資料でも明らかになったわけですが、問題はなぜ、国防総省がHPを削除したのか。この時期、日米で何らかの談合、合意があり、グアム移転の詳細を曖昧にする必要に迫られたからだと思います。日本政府はグアム移転の費用のうち、61億ドルを負担する。しかし、米軍はもっと基地を強化したい。日本の税金4000億円で代替基地を造り、思いやり予算までくれると言うのを断る必要もない。日本側は日本側で海上を埋め立て、新基地を造れば、利権になる。そのために移転の核心情報をひた隠しにし、辺野古移転をゴリ押ししてきたとしか思えません」(ジャーナリスト・横田一氏)とあるが、これが真理なのではないか。これが、問題を複雑にしている。
  
 一方、アメリカは2009年9月にはポーランドとチェコへのミサイル防衛配備を中止。2012年には在韓米軍は韓国に移転される予定である。天文学的に財政破綻した米国にとって、もはや世界一極覇権主義は重荷でしかないのではないか。
  
 これだけを以て全てを語るわけにはいかないが、海外メディアの分析を長期にわたって続けてきた田中宇氏の新作『日本が「対米従属」を脱する日』によれば、ロックフェラー一族やキッシンジャー元国務長官らはドル崩壊と合わせ多極化の方向を志向する「隠れ多極主義者」だとしている。疲弊した米一極よりも世界が多極化して経済が活性化する方が国際金融資本にとっても有利だということだ。
  
 この流れに乗って考えると、いかにも反米的な鳩山政権に対して米国の反応は、政権発足以来、思ったほどに厳しくはない。危機を煽っているのはマスメディアである。田中氏は「日本を対米従属から離脱させたのは、他ならぬ米国自身だと私は思っている」とすら書いている。
  
 確かに総選挙中に民主党を潰すような工作活動が行われずにそのまま選挙日を迎えたことに軽い疑念を覚えたものだ。全ての国がそうであるように米国も決して一枚岩ではないが、少なくともオバマ政権に関する限り、小沢一郎追い落としに失敗した対日工作活動の悪玉ジョセフ・ナイを次期駐日大使から外したあたりから対日政策を微妙に変化させているフシがある。
  
 「日本郵政マネーも半分くらいは既に吸い上げ、日本自体1985年以降しゃぶり尽くした。国力も疲弊した日本にこれ以上旨味はない。なんといってもこれからの儲けは中国をはじめとするBRICS。日本に従属されても困るわけだ。でも沖縄県内に代替基地を作ってくれて、しかも思いやり予算までくれるというのだから、もらっておいて損はない。気の弱そうなオカダ外相をちょっと脅かしてやろうか」
  
 普天間問題とその裏にある背景を米側(国際金資本家連中)の視点に立って単純化すると、こうなるのではないか。米国も一枚岩ではなくアーミテージなどのゴロツキグループも当然いるが、現在では大勢ではないだろう。ところが、従来の対米従属から離れられないのがマスメディアというわけ。いつまでも、ピンぼけの報道を続けていると、どことは言わないが本当に倒産する社が出てくるかもしれない。
  
 習金平副主席と天皇の会見に関わる小沢一郎政治利用疑惑も、これとほぼ同じ路線で考えれば片が付く。マスメディア、自民党、醜い似非右翼は「1カ月ルールを強引に破った小沢の横暴」を声高に主張するばかりだが、これまでの流れを見ると、マスメディアのプロパガンダと逆の部分に真実があると考えればいい。
  
 まず、前提となるのは習金平副主席は次期国家主席であるということ。腐敗した太子党出身とかそういうことはこの際、あまり問題ではない。オバマがブッシュ政権時代と対して変わりようのない面々をブレーンとしているからといって、天皇会見時に問題となるようなこともなかった。
  
 次期国家主席となる習金平副主席は国際社会へのお披露目の挨拶として各国を歴訪している最中である。ドイツのメルケル首相はじめ欧州各国の国家元首と会った。そしてアジアでは日本を皮切りに韓国など諸国をめぐるという運びのようだ。だから、中国側からすると日本の天皇と会見するのは外せないものだったと推測される。しかし、スケジューリングを直前まで決められなかった。
  
 「1カ月ルール」を主張する頑迷な日本の官僚と話を進めてもらちがあかない。それから先のことは、前原国交相が明らかにした。自民党の総理大臣経験者から官邸への働きかけによって、ルール破りの働きかけが実現したというわけだ。

(貼り付け開始)
「天皇の面会は自民党からの要請」(世田谷通信)
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=338790&log=20091215


15日、天皇陛下と中国の習近平国家副主席の面会が皇居で行われたが、この面会に対して自民党側から「天皇を政治利用した」という批判が相次いでいる。しかし、15日午後、この批判に対して前原誠司国土交通相は「今回の面会は自民党の元総理大臣から官邸に要請があったものだ」と述べ、自民党側からの強い要望によって実現した面会であったという経緯を発表した。前原国交相は「元総理大臣」とだけ述べて個人名までは明らかにしなかったが、官邸関係者によると中曾根康弘元首相が7日に首相官邸を訪れており、この時に強く要請したものと見られている。これが事実であれば、自民党の谷垣禎一総裁や安倍晋三元首相らによる民主党批判は、自民党による自作自演劇だったことになる。(2009年12月15日)
(貼り付け終了)
  
 「なぜ中曾根康弘元首相が?」という疑問が残るが、副島隆彦氏は、中国側が親中派のキッシンジャー元国務長官に相談し、キッシンジャーは日本の手下、中曾根元首相に会見のセッティングを要請したと書いている。自民党の首相経験者からの働きかけが明らかとなって以降、メディア報道や自民党による批判も急速にしぼむこととなったのは言うまでもない。
    
 上記2案件、さらに小沢&鳩山献金問題、マニフェスト破り報道など、民主政権の雲行きも相当に怪しくなってきたように国民の目には映る。ただし、もう私たちは自民政権に戻るわけにもいかない。恐らく、自民から民主というのは、田中宇氏のいう「多極化」の流れの中では、必然的な政権交代だったのだろう。あの時点で対米従属の自公政権を選んでいたら、アメリカに抱きつかれ心中され滅びの道を歩むことになっていた。日本はその流れにギリギリ間に合ったのだ。だから、民主政権に何とか真っ当な正しい方向に突き進んでもらうよう監視するしか当面の道はない。近い将来、政界再編という選択肢は当然あるだろうが、対米従属には戻りようのないポジションまで現政権の間に到達してもらわねばならない。
  
【参考文献・webサイト】
“アメリカにとって普天間は「瑣末な問題」”(ロイター)
http://president.jp.reuters.com/article/2009/12/18/9A240836-EB9B-11DE-878D-BD193F99CD51.php

  
“ルース大使は怒っていなかった”(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報)
http://amesei.exblog.jp/10543894/

  
“自民党案の名護市移転先 1兆円砂利土建利権でもうグチャグチャ”(ゲンダイネット)
http://news.livedoor.com/article/detail/4513498/

  
“私たちの指導者・小沢一郎の判断と行動が、すべてにおいて正しい。佐藤優氏の文章が他の何よりも優れている。”(副島隆彦)
http://www.soejima.to/

   
でしゃばりすぎだよ羽毛田宮内庁長官  (ゲンダイネット)
http://gendai.net/news.php?m=view&g=syakai&c=020&no=43989

  
羽毛田信吾は長州閥出身。これは小沢一郎に対して仕掛けられた平成版「宮中某重大事件」だ!(ジャパン・ハンドラーズと国際金融情報)
http://amesei.exblog.jp/10573952/

  
“天皇会見を政治利用したユダヤ金融資本と北朝鮮右翼”(richardkoshimizu’s blog)
http://richardkoshimizu.at.webry.info/200912/article_23.html

  
『日本が対米従属を脱する日ー多極化する新世界秩序の中でー』(田中宇)
  

  
                                          (磯 尚義)


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