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和尚の人生相談

主人と仲の悪い放蕩息子[ 2009 年 11 月 11 日 水曜日 ]

相談者: 72歳主婦、深谷市

 

前々から仲が良かったとは言えませんでしたが、主人と長男の仲が最悪になったきっかけは、20年ほど前、いきなり長男が結婚をしたいという女性を我が家に連れてきて、家族に紹介したときから始まりました。息子が気に入った娘ならば、と私は思いましたが、主人はなぜかまったく気に入らず、器量が悪い、家の格が違うと大反対をし、結局、二人は別れてしまいました。

息子はその後、ほとんど飲まなかった酒におぼれ、酒がもとで建設会社をやめてしまいました。そして、土木会社を立ち上げましたが、ほとんど仕事にならずに現在会社は休眠状態です。我が家の長女・次女が嫁ぐと、間に割って入って止める者が減って、私ひとりではどうにもならず、何かことあるごとに家庭内暴力とはこのようなものかと、ただただ呆然とする力ずくの大男同士の親子喧嘩は互いに一歩も譲らず頻繁化し、家の中は壊れた家具や皿、茶碗、引き裂かれた絵画や本で埋め尽くされる始末、とうとう私たち夫婦は手持ちのアパートの一室に引っ越し別居。本人ただひとりが荒れ放題の家に寝起きし、ますます酒浸り。夜な夜な車で出かけて、酒酔い運転で再三捕まり、挙句の果てに事故まで起こしてとうとう実刑判決を受けてしまいました。数ヶ月間の規則正しい刑務所生活で息子は糖尿病を改善させられ、出所後は気ままに農作業をしていることもありますが、相変わらず昼間から酒臭く、生活力はほとんどありません。別居後はさすがに取っ組み合いの喧嘩はなくなりましたが、互いにまったく口を利くこともなく無視し合っております。一応住んでいる地域では資産家の端くれでそれなりの土地と田畑などがあり、アパート、借家も数件保有しておりますので、今すぐ生活に不自由することはありませんが、本人の行く末が心配でたまりません。長年続く47歳にもなった大の大人の乱行を、どうしたら改めることができるのかご相談いたしたくよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

回答者:萩野映明和尚

   

 放蕩息子に手を焼いている。とのことですが、その原因が息子さんだけにあるとは思えません。息子さんが連れてきた女性が、父親が気に入らなかった事が不仲の始まりとのことです。

 一方的に相手を責めるのは、いかがなものでしょうか。

酒酔い運転で実刑判決を受けるとは、大変な荒れようだったようです。

 

 古い話ですが、釈尊は家庭のしあわせについて、こう説いております。

 『家庭は、心と心が最も近く触れあって住むところである。むつみあえば、花園のように美しいが、もし心の調和を失うと悲しい波風を起こして破滅をもたらすものである。他人のことを言わず、まず自ら自分の心を守って踏むべき道を正しく踏んでいかなければならない』と。

 

 相手の気持ちを思い、自ら省みるのも得策です。

きっと、気が楽になるとおもいます。

 

                                                  合 掌

 

 


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●能仁寺住職・萩野映明プロフィール

●能仁寺住職・萩野映明
  • 昭和15年(1940)東京・谷中、曹洞宗玉林寺にて生まれる。
  • 学習院大学を卒業後、報知新聞社に入社。野球部担当記者として、主に読売巨人軍を担当。川上、長嶋、王監督らと親交を深める。
  • 昭和46〜47年、曹洞宗大本山永平寺にて修行。
  • 平成3年(1991)能仁寺住職となる。
  • 現在、全日本仏教会監事、埼玉県佛教会副会長。

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